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それから

しばらくはこの場所を、サァちゃんっていう可愛い赤ちゃんのことを
想うための場所にしたい。
ゆかママに、これから何をしてあげられるか考える場所にする。
少しずつ、ここに書いていって大事なことを考えたい。
日本では年間約3万人の赤ちゃんが突然死で亡くなっているそうだ。
日本の総人口からしたら、赤ちゃんを亡くして悲しんでいるママの存在は
「僅か」なのかもしれない。けど、私にはすごく多く感じる。
赤ちゃんの突然死のこと自体は知ってはいた。だけど
私はなんにも知らなかったのだなあと思う。




以降、前記事の続き、今日も畳みます。







インターホンを押すと、玄関でゆかママと旦那さんが出迎えてくれた。
形式めいた言葉はどうしても言えず二人の顔を見たら即泣けてきた。
「来てくれてありがとう」と言ってくれたゆかママ、隣で旦那さんが
くしゃくしゃの泣き顔で頭を下げてくださった。私は何て言ったのか
記憶がおぼろげだけど、大変な時に連絡くれて、呼んでくれてありがとう
というような事を言ったと思う。


いつものゆかママ宅のリビング。コゥちゃんはおばあちゃんのおうちに
預けられていて、とても静かだった。ベビーベッドにサァちゃんが居た。
サァちゃんのおでこと、まだ短くて柔らかい髪を撫でさせて貰った。
「サァちゃん、ネンネしたの?ネンネしちゃったの」 このままスヤスヤ
気持ちよくネンネするんだね、サァちゃん。ネンネ大好きだもんね。

ゆかママが「抱っこしてやって」と言ってくれ、「いいの?」と聞く私に
サァちゃんを抱き上げてそっと渡してくれた。つい先週に抱っこさせて
もらった時と同じように、部屋を歩きながらサァちゃんをゆらゆら抱っこ
した。可愛いなあ。柔らかいなあ。先週より大きくなってるサァちゃんに
感動した。ほっぺた、きれいなピンク色。気持ち良さそうに目を閉じてる。
「可愛いでしょ」とゆかママ。「可愛い」。そっと指先でほっぺたを触ると、
ぷるぷるでスベスベだった。あれ?ラメが付いてる。ゆかママのメイクが
移ったのかな…。そこでサァちゃんのほっぺのピンクが、チークなんだと
気づいた。ピンク色のほっぺはひんやり冷たかった。私の喉からうう~~っ
と変な声が出てきた。もうだめ。サァちゃんを抱っこしたままどこかの
小学生みたいに泣いた。悲しい、悲しい、と口に出して言った気がする。
旦那さんの小さな嗚咽が聞こえた。旦那さんの悲しみを想像できない。

泣きすぎて涙だけでなく鼻水がひどいことになり、あごの下まで垂れて
きてしまったので、「サァちゃんに付いちゃう」とゆかママに言うと
泣き笑いしながらティッシュをくれた。
サァちゃんを抱いた彼女と並んでソファに座り、ぽつりぽつりと会話をした。

普段みんな人前では、我が子を手放しで可愛い可愛い言えないものだけれど、
この日のゆかママはもうサァちゃんLOVE全開だった。『可愛い。可愛い。』
って、いっぱい言ってた。ほんとうに、可愛い子だよね、癒し系だったよね。
サァちゃんが産まれて、産院からこのアパートに戻ってきたのを知った日から、
いつも朝起きると「同じ屋根の下にあの可愛いちいさな赤ちゃんが居るんだ」
と思ってそれだけで幸せな気持ちになれた。遊びに行くたび心地良さそうに
ネンネしていたサァちゃん。起きている時はかなりレアだったサァちゃん。
チビ達とコゥちゃんが大騒ぎしてもどこ吹く風でネンネできてたサァちゃん。
いつ抱っこされても、ベビーベッドに置かれても、泣かずにホワーっとしてた
穏やかなサァちゃん。グズった所を見たことがなかった。幸せだったんだね。


「サァちゃんが産まれてから、大した所どこにも行ってなくて、
 まだ何も思い出がない。何もしてあげられなかった」

まだ生後たった一ヶ月だったんだもんね。行きたくても行けなかったよね。

もっと色々してあげたかったよね。ゆかママ優しいから、きっとめいっぱい
可愛がって幸せをあげられたのに。サァちゃんももっとママと居たかったろうな


「私が、コゥちゃんの世話が大変でいつもバタバタしてたから、サァちゃん
『ママ大変そうだなー』って思って天国に帰っちゃったのかなあ…」

私が見たサァちゃんは、いつもおっとりしてて、幸せそうだった。
これからもママの傍に居るって、普通に思ってたと思う。
どうして息が止まっちゃったのか、きっとサァちゃんも分からなくて
今頃ふしぎに思ってる気がする…


「救急車が来るまでの間、心臓マッサージとかしなくちゃいけなかったのに、
全然してあげられなかった。できてたらサァちゃん生きてたかもしれない」

赤ちゃんの呼吸が止まればママが極限のパニック状態に陥るのは当然だよ。
私もリポの事があった後、色んな情報を見て認識を改めたつもりだったけど、
その後のカポの時にも救急車が来るまでやっぱり何もできなかったよ。
119もまともに押せなくて体をさすって名前呼んで、悲鳴を上げるばっかで…

あんな小さな小さなサァちゃんに、どう心臓マッサージすればいいかなんて
知識はあっても実際には怖くて、もし実行できてても、「自分のやり方が
間違ってたのかも」って、やっぱり自分を責めると思う。


ゆかママは悪くなんてないのに、きっとこのことを一生悔やんでしまって、
自分の罪として背負い続けてしまうのかと思うと、そんなのってないと思った。
可愛いサァちゃんを元気に出産して、大事に丁寧に育てて、なのに突然失って。


「産後サァちゃんと退院する時、本当はあと1日入院予定だったのに、
コゥちゃんも居るからって早く出てきちゃった。あれが良くなかったのかな…」

たくさんたくさん、後悔しているゆかママ。ゆかママのせいじゃないのに。
サァちゃんはいつ見ても幸せそうだったんだよ。本当に。
サァちゃんが天国に行ってしまったのは絶対にゆかママのせいなんかじゃない。



ゆかママの言葉に、私はどれだけも答えられなかった。
今ここに書いたような気持ちを、断片的に口にしたようなできなかったような…

ただ、これから一緒に居られる時間は、できるだけ何も言わずにたくさん話を
聞いてあげられたらと思った。ゆかママが、言って欲しいことだけを言えたら
どんなにいいか。だけど私はどうしたってママ本人の心にはなり代われない。
余計な事を言って、彼女をつらい気持ちにさせるのだけは嫌だ。
これからどうしたらいいんだろう。


もう一度サァちゃんを抱っこさせてもらった。また涙が溢れた。可愛いサァちゃん。
なんで死んじゃったのかなあ… どうしてかなあ… どうしてかなあ…

「サァちゃんがおっぱいを飲んでる時に、パパから電話がかかってきて、
サァちゃんを抱っこしながらパパと話してて、そしたら急に、」

サァちゃんはパパに、最後の声を聞いてもらったんだそうだ。

本当に本当に、どうしてなんだろうね。


「サァちゃん、その時に今まで聞いたこともないような大きな声を出したの」

その時、体に何かがあったのかな… どこかが痛かったんだろうか。



「病院で、あとはもうサァちゃん苦しませるだけだから、点滴とか
すぐにやめてあげたかったのに、何時間か栄養点滴をしたから、
お顔がむくんじゃった。苦しかったね。苦しませちゃってごめんね」


ゆかママの前職は、看護師さんだった。

ほんとに、たまらない。何の知識もないママだったら、延命治療の先に
ある我が子の姿なんて知らないから、だからもっと長く、もっともっと、
目の前に子供の体があるっていう現実だけでも繋ぎとめたくて、
本当に思い切れるまで何日でも一緒の時間を過ごしたんだろうに、
ゆかママは、看護師としての経験からそれすらできなかったんだ。
サァちゃんのために、たったの数時間で自分の想いにけじめをつけなきゃ
ならなかった。それで実際にそうして、あの日の夕方にはもう、この部屋で
サァちゃんとここに居て、夜を過ごしたんだ。


一言も、何にも言えなかった。無力な手でゆかママの肩をさするだけ。
ほんとは触ってほしくもないのかもしれなかったし、隣で一緒に泣いてても
全く何の意味もないのかもしれなくて、どうしようもなく無力だと感じた。


サァちゃんに手を合わせて、玄関で見送ってもらう時にも、何て言えばいいのか
本当に分からなかった。2人のことを応援してる、いつでも部屋に居るから
呼んで。すぐ来るから。私もメールする。うっとおしいくらい顔を出すかも
しれないから、うっとおしかったら言って。そんなような事を伝えたと思う。
ゆかママは笑ってくれた。
本当に、応援してるから、と、旦那さんにも敬語を忘れて言ってしまった。

自分の悲しみと心配する気持ちばかり下手に押し付けてしまった気がする…



翌日がお通夜で、午後には旦那さんの実家へ移動するから、
また朝にもう一度サァちゃんの顔を見に来てね、
とゆかママは言ってくれた。

時間にしたら30分足らずだったと思う。
ゆかママ宅を後にし、子供達とミーママが待つ自宅へと戻った。




この長い文を読んでくれてる人がいるとしたら、
自分だったらこうする、こうしてあげたい、とか、
たくさん考えててもらえてたらいいな…と思う。
私は今までそんなこと考えたこともなくって、泣くしかできなかったので。


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テーマ : ママのひとりごと。
ジャンル : 育児

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のん

Author:のん


2010年11月29日一卵性双子を出産。
ぷっくぷくの女の子リポ&カポを
ひーこら育児中。




★愛用した双子用ベビーカー★
ベビージョガーシティミニダブル
(使用レポのリストはコチラ)

大活躍の後2人が年中さんの時、
同じ園で双子ちゃんを授かった
ママさんにお譲りしました。
相当乗ってたけどガタがくる所か
まだまだ超現役な状態だったので
使ってくれてるのを見かけるたび
とっても嬉しい^^ 


★双子が乳幼児の頃の育児環境★
賃貸2LDK、車なし(キッツゥウ!)
食材や日用品は全てネットで調達、
実家は隣県で緊急時しか頼れず…
夫は帰宅が遅いため平日は1人育児





2014年、保育園に入園が決まり
送迎用にダイハツのタントを購入。
園の狭い駐車場も小回りバッチリ!
軽だけど天井が高く、雨の日車内で
チャイシーベルトするのに便利!
ベビーカーもピッタリ収納できて
双子ママの愛車として最高です♪

双子入園前に私はパートで就職。
10時から17時の時間帯で勤務。

2015年、父が幾つかの難病を併発し
実家の育児サポートは頼めなくなり
週末は介護の手伝いをする生活に。

2016年春より12時から16時勤務。
パートと並行してフリーランスの
仕事も受け始める。

年長あたりから双子娘の免疫力も
すっかりついて、わりと計画通り
働けるようになっていきました。
それでも余裕・予備日必須ですが;


双子が小学生になり帰宅が14時台に
なった2017年春より午前中勤務に。

小3になった現在は9時~14時勤務。
(双子は早くも思春期に突入した)


そんな感じで現在に至る。

双子ママのみなさま、
5歳にもなると大分ラクですよ!
その先なんかほぼ天国ですよ…!
(お勉強は大変ですが)笑
がんばりましょうね><!!




昔からの趣味でもありストレス発散
手段でもある日記を、マイペースに
このブログで楽しんでおります。

情報発信というより物思いの捌け口
もしくは記憶整理用の場所と化して
いるので人様にはかなり読み辛い筈;

育児母の戯言ってことでお許しを~。

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